9.人知れぬ涙 歌劇《愛の妙薬》より
気弱だけれど心根の優しい青年ネモリーノが、惚れ薬とだまされて買ったワインを本当に惚れ薬だと信じたことがきっかけで、恋の奇跡が起きるとてもかわいい傑作オペラ。物語終盤、想いを寄せるアディーナが流した涙に、彼女からの愛を確信するネモリーノの感動的なアリアです。昔はやたら歌うのが難しい割に、なんだか地味であんまりいい曲じゃないような気がしていたのですが、とんでもない!歌えば歌うほど味の出る、きっと生涯をかけて歌い深めていく名曲です。2008年、この曲と次の“フェデリーコの嘆き”で、はじめてのイタリア留学の切符をつかみました。