10.フェデリーコの嘆き 歌劇《アルルの女》より
上演される機会がほとんどないこの《アルルの女》ですが、この“フェデリーコの嘆き”はその中でも単体で演奏されることの多いテノールの名アリアです。アルルの女を忘れられないフェデリーコは、深い喪失を覚えながら、そばで眠る弟のように眠れたならばせめて全てを忘れられるのにと歌っています。その後、彼は自失と錯乱のあまり、決して消えることのない彼女の幻影を追ってバルコニーから転落死してしまいます。