14.カルーゾ


かっこよくて好きだなあと思いながらずっと歌えずにいたこの曲に、ついに挑戦できました。歴史上最も有名なテノールの一人、エンリーコ・カルーゾの名を冠したこの曲は、カルーゾが死の直前に滞在したとされる、ソレントのホテルの部屋を訪れたルーチョ・ダッラが、そこで聞いたカルーゾの最後の数日の様子にインスピレーションを受け書いた作品だそうです。ルーチョ・ダッラの描く偉大なテノール、そして一人の男であるカルーゾの最後の愛の表明は、諦念に似た穏やかさとほとばしるような情熱をあわせもっていて、一度聞けば忘れられない旋律が感動をより大きなものにしてくれます。